【7月4日 AFP】西アフリカのマリ中部で今週、武装集団が複数の村を同時に襲撃し、民間人31人が殺害された。対応のため派遣された兵士9人も殺害された。同国中部では紛争で暴力が激化している。

 地元当局者が安全上の理由から匿名を条件に電話で語ったところによると、武装して制服を着用し、ピックアップトラックに乗った男らが1日、ドゴン(Dogon)人の複数の村を襲撃した。襲撃により、女性、子供、高齢者を含む少なくとも30人が死亡。行方不明者も出ているという。

 襲撃された村の一つ、ゴウアリ(Gouari)の長老は「午後3時から9時まで、誰も救助に来なかった」と話している。

 陸軍報道官のディアラン・コネ(Diarran Kone)大佐はAFPに対し、現地に軍隊が派遣され、1日に31人の遺体の埋葬を支援したと述べた。

 マリでは2012年に北部で台頭したイスラム教反政府勢力が、民族間の対立をあおりながら中部に移動している。中部ではこの数か月、遊牧民のフラニ(Fulani)人と伝統的に狩猟を行うドゴン人の間で衝突が増加しており、当初は防衛のため組織された地域の民兵らが攻撃に乗り出している。

 国連(UN)の先月の発表によると、マリ中部の混乱で今年に入って民間人600人近くが死亡している。(c)AFP/Serge Daniel and Kassim Traore