自転車で世界旅行中の韓国人男性、ギニアで足止め 差別に遭遇も続行へ意欲
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【5月10日 AFP】新型コロナウイルスの流行が発生した際、過去2年にわたって世界中を自転車で旅をしていた韓国人のレイモンド・リー(Raymond Lee)さん(33)は、西アフリカの貧困国ギニアで突然立ち往生する羽目になった。
リーさんは自転車で欧州をめぐり、サハラ(Sahara)砂漠を越えて南下していた際、ギニア政府が新型ウイルス感染拡大抑えるために国境を封鎖した。
元客室乗務員というもじゃもじゃの長髪頭のリーさんは穏やかな笑みを浮かべ、「ギニアにいる間に状況が本当に深刻になった」と語った。
同国で足止めを食っているリーさんは、沿岸部に位置する同国の首都コナクリで、複数のホテルから繰り返し宿泊を拒否されたという。
新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)への偏見による反応だと評するリーさんは電話インタビューで、「私がアジア人だから入れてくれなかった」と話し、7、8軒のホテルから断られたと説明。
「あれはかなりひどかった」「自分の人生で、これまで個人的に人種差別を経験したことがなかった、これが初めてだった」
豊富な天然資源に恵まれているにもかかわらず、貧困にあえぐギニアでは、脆弱(ぜいじゃく)な保健システムゆえにパンデミックに際して懸念が広がっている。
人口約1300万人を抱える同国は、アフリカで新型ウイルスの最も被害が大きい国の一つ。
リーさんは街の路上で、泊まる場所はないかと尋ね回ってみたが、金をだまし取られただけだった。ひと月50ユーロ(約5800円)で居候させてもらう約束をある男と交わしたが、男は金を受け取ると姿をくらましたという。
泊まる場所もなく、貯金を切り崩して暮らすリーさんは、高級ホテルで部屋を見つけたが、長期間滞在する余裕はなかった。