【4月8日 Xinhua News】中国では家族の系譜を記した「家譜(かふ)」が一族の団結を維持してきた。しかし長い間、女性の名が載せられることはなく、名字のみが簡単に書かれていただけだった。中国にかつて存在した男尊女卑の考え方によるもので、今でも女性の先祖の名字以外の下の名前を知る人はほとんどいない。

 山西省(Shanxi)洪洞県(Hongdong)の李元巧(Li Yuanqiao)さん(68)は「上の世代の女性のように存在感を失うのは嫌だ」と語り、今は平等な時代であり、過去の悪習は捨て去るべきだと主張する。李さんと夫の邢春元(Xing Chunyuan)さんが昨年新たに制作した家譜は間もなく印刷に入るが、李さんの姓名も記載されている。

 家譜作成を営む王秀遠(Wang Xiuyuan)さんは、7年前に山東省(Shandong)曲阜市(Qufu)から同県に移住した。これまで40余りの一族の100以上の家族の家譜を作成している。李さん夫妻の新たな家譜「邢式家譜」も王さんが制作した。王さんは「新たに作成する家譜には例外なく女性の姓名を記載している。完全に従来の習慣を覆した」と述べた。

 従来の家譜は印刷費用やページ数に限りがあることから、一族の各個人については簡単な状況しか記載できなかった。しかし「オンライン家譜」が誕生したことで、容量の制限がなくなった。

 山西大学(Shanxi University)歴史文化学院の喬新華(Qiao Xinhua)博士指導教授は「家譜は中国の宗族に対する考えを伝える重要な媒体だ。姓のみの記載から姓名の記載は小さな変化かもしれないが、伝統を覆し、男女平等をさらに強固にする」語った。(c)Xinhua News/AFPBB News