ペン持参して、列は1メートル間隔で…新型コロナ流行下で地方選、フランス
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【3月12日 AFP】手を洗いましたか、マスクは外して、ペンを持ってきましたか──新型コロナウイルスの感染が広がるフランスで15日に行われる地方選では、投票所で有権者がこうした問いに答える必要が生じそうだ。
フランスではこれまでに約1800人の感染が確認され、33人が死亡した。だが、政府は選挙を決行する構えだ。市町村長と各地方議会議員を選ぶ今回の選挙は、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領にとって、政権運営の中間試験といえる重要な試金石となる。
「手袋やマスクをして、髪の毛はまとめて、それでも投票に来てください!」と右派のエリック・ブルト(Eric Woerth)議員は10日、テレビで訴えた。大規模集会の禁止や中止勧告を受け、候補者らは選挙集会の開催を中止。政治家らは国民への投票呼び掛けに余念がない。
だが、調査会社Ifopが7日に発表した世論調査では、新型ウイルスに感染する恐れがあるため投票に行かないかもしれないと答えた人は回答者の28%に上り、大都市ほど割合が高かった。
仏当局は10日、感染リスクを抑えるための「厳格な予防策」を発表。クリストフ・カスタネール(Christophe Castaner)内相は、「投票に行くのは危険ではない」と強調した。
各投票所には、投票ブースや投票箱の小まめな消毒、手洗い所やアルコール消毒液の設置などが求められている。一方でカスタネール内相は、「手を洗いたがらない有権者がいても、投票を拒んではならない。投票の正統性を損なう恐れがある」とも述べている。
有権者には、速やかに投票を済ませて投票所を離れ、行列をつくらないことが推奨されている。投票所の床には線を引いて、人々が1メートル間隔をキープするよう徹底する。
各自が投票用紙に記入するためのペンを持参することも認められた。南部モンペリエ(Montpellier)では、ペンの使い回しを避けるため市長が新たに32万本のペンを発注した。(c)AFP/Anne RENAUT and Joseph SCHMID