【3月4日 CNS】著名な肺移植専門家の陳静瑜(Chen Jingyu)教授が1日に明らかにしたところによると、同氏の医療チームは2月29日、中国・江蘇省(Jiangsu)無錫市(Wuxi)で、世界初の新型コロナウイルス感染による肺炎患者の両肺移植手術に成功した。新型肺炎の重篤患者に対する肺移植手術は、致死率を下げる意味において大きな意義があるという。

【特集】収束の兆し見えず、新型肺炎が流行する中国の今

 患者は江蘇省の男性(59)で、1月23日に発症。新型肺炎と診断され、気管チューブ挿入+ECMOおよび薬物療法を行った後、核酸検査では陰性を示したが、両肺の機能は深刻かつ治療不可能な損傷を受けていた。

 無錫市衛生部門は2月29日、陳教授の医療チームによる両肺移植手術を実施した。臓器は他省の脳死患者から提供され、高速鉄道で7時間かけ無錫まで運ばれた。移植された両肺の機能は良好で、男性の容体は安定しているという。

 陳教授によると、新型ウイルス感染患者が肺移植を受けるための条件は3つあり、「人工呼吸器+ECMOで維持され、両肺の呼吸機能が疲弊し回復不能である」「核酸検査が複数回連続で陰性を示している」「他臓器の機能が基本的に正常で、全身の状况が両肺の移植手術に耐えられる」だという。

 医療チームは今後、今回の経験を総括し、重篤患者の治療に希望の光を見いだしたいとしている。(c)CNS-北京青年報/JCM/AFPBB News