29歳の中国医師、新型コロナ感染で死亡 挙式予定の婚約者残し
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【2月22日 AFP】新型コロナウイルス流行の中心地である中国中部・武漢(Wuhan)で、29歳の医師が同ウイルスに感染し亡くなった。確認されている犠牲者の中でも最年少の部類に入り、医療従事者の死者は8人目。
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新華社(Xinhua)通信によると、死亡したのは彭銀華(Peng Yinhua)医師。武漢の江夏(Jiangxia)区にある第一人民医院(People's No. 1 Hospital)で勤務中に感染し、20日に亡くなった。
呼吸器と重症疾患を専門とする同医師は当初、春節(旧正月、Lunar New Year)の期間中に結婚式を挙げる予定だったが、新型コロナウイルスの患者治療のために式を延期していた。
新華社は同医師が「結婚式の招待状はついに発送できず、今も職場の引き出しの中に入れられたままとなっている」と伝えた。
これまでに新型コロナウイルスに感染し亡くなった医療関係者は少なくとも8人。同ウイルスは、特に高齢者や基礎疾患のある人が感染すると危険だと考えられている。
中国当局によると、これまでに医療従事者1700人以上が感染しており、その大半は武漢がある湖北(Hubei)省で確認された。AFPの取材に応じた医療関係者らによると、現場ではマスクや防護服が不足し、間に合わせの防護服を着用したり、呼吸器系の症状がみられても勤務を続けたりする医療従事者もいる。
ソーシャルメディア上では21日、彭医師を悼む声が広がり、多くがその若くしての死に衝撃を受けていた。中国版ツイッター(Twitter)「微博(ウェイボー、Weibo)」では、「これは本当に悲劇だ。白髪の両親が黒髪の若者を見送り、婚約者はついに彼と結婚できなかった」との書き込みがみられた。(c)AFP