【1月27日 Xinhua News】中国科学院南京地質古生物研究所によると、中、仏、英3カ国の研究者で構成されたチームがこのほど、3億7200万年前に起きた第2次生物大量絶滅によって地球の海洋環境が数千万年にわたり荒廃したことを突き止めた。海洋生物が再び大規模な復活を遂げるまでには3600万年もの歳月を要したという。

 この研究により、生物大量絶滅の発生と回復メカニズムに関する人類の理解が一層深まった。

 3億7200万年前のデボン紀後期の生物種の大量絶滅は、地球史上2番目の生物大量絶滅として知られている。これにより地球生物は再び深刻な打撃を受け、約82%の海洋生物種が死滅した。

 研究チームは海洋生物から最もありふれた底生生物とプランクトン(浮遊生物)類4種を選択して多様性研究を行うと共に、環境条件が厳しく、生態学的指標としての意義を持つサンゴ礁を研究対象として選び、種の大量絶滅発生後、生物が再び回復し繁栄するまでにかかった時間を調査した。

 その結果、大量絶滅の終息から再び大量の海洋生物種が出現するまでに3600万年を要したことが分かった。3億3600万年前頃に大量のサンゴ礁が再び出現し、ほかの生物種も著しく増えた。海洋生物はこのとき、ようやく大量絶滅前の繁栄を取り戻した。

 この研究に参加した同研究所のアシスタント研究員の要楽(Yao Le)氏は「生態システムがひとたび崩壊すると、再建と回復には長い歳月を費やすことになり、巨大な代償を払わなければならない。これは今日のわれわれ人類に対する警鐘でもある。われわれが生存のよりどころとしている環境を尊重するよう、常に警戒を高めなければならない」と述べた。

 関連の研究成果は昨年12月に地球科学分野の学術雑誌「Earth-Science Reviews」に掲載された。(c)Xinhua News/AFPBB News