年金改革めぐり仏全土で45万人デモ、黒服集団の破壊行為も
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【1月10日 AFP】(更新)フランス各地で9日、年金制度改革に反対する大規模デモが行われ、内務省によると鉄道労働者に加え教師やその他公務員ら、全国で45万2000人が参加した。全国規模のデモは、昨年12月5日に公共交通機関のストが始まってから今回で5回目。ストは36日目を迎えた。
強硬派の労働組合「フランス労働総同盟(CGT)」は、9日のデモには全国で約170万人が参加したと発表した。
首都パリや複数の都市では、黒服の集団がショーウインドーやバス停を破壊したほか、一部のデモ参加者が道路の敷石をはがして警官隊に投げつけるなどしたため、緊張が高まった。警察はデモを解散させるため催涙ガスを使用した。
内務省によれば、パリのデモには5万6000人が参加し、少なくとも24人が逮捕された。
エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領の政権は現在42種ある年金制度の一本化を進めているが、退職年齢が引き上げられる一方で年金支給額が減額されるとして、抗議デモが続いている。
政府は9日、教師と研究者の給与を引き上げることなどを盛り込んだ法案2本を発表したが、労組側がこの譲歩案を受け入れる見通しは薄い。(c)Arnaud BOUVIER and David ARRODE