【12月14日 AFP】カナダで釣りガイドの男が、クジラに100メートル以内まで近づいたとして有罪判決を受けた。カナダ政府によると、昨年改定された海洋哺乳類規則の適用で有罪判決が下されるのは初めて。

 海洋哺乳類規則が改定されてから8日後となる2018年7月、スコット・バブコック(Scott Babcock)被告は、ブリティッシュコロンビア(British Columbia)州プリンスルパート(Prince Rupert)北方50キロの河川の深水部で、ザトウクジラが水面から躍り出た際に100メートル以内の距離までボートで近づいて進行を妨害したとして、有罪判決を受けた。そのときの様子を捉えた写真も証拠として提出された。

 12日に入手した判決概要によると、バブコック被告は、2000カナダ・ドル(約17万円)の罰金の支払いと、クジラの近くを通航する際の安全性についての一般市民向けの啓発教育を2日間受けることを命じられた。

 カナダ政府は、クジラ目に属する海洋哺乳類の保護を強化し、船を操る際は大半のクジラやイルカ、ネズミイルカの種から少なくとも100メートル以上離れるよう義務付けているほか、餌やりや一緒に泳ぐことを禁止している。

 北太平洋のザトウクジラは、2005年に準絶滅危惧種に登録されたが、2011年には「危惧種」に変更された。(c)AFP