【11月8日 AFP】ラグビーW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)を制した南アフリカ代表が7日、優勝を記念したパレードを国内でスタートさせた。このツアーは、ヨハネスブルク近郊にある黒人居住区(タウンシップ)で、かつて同チームを罵倒していたソウェト(Soweto)の街路を通るなど、象徴的なものとなった。

 イングランドを32-12で下し南アフリカがつかんだこの勝利は、かつてラグビーが少数派の白人の領分だった同国において喜びをもって歓迎された。

 30年前のアパルトヘイト(人種隔離政策)時代に黒人が残虐さと格闘する中、同政策の象徴と考えられていた代表チームの選手に歓声を送るべく、パレードには数千人が集まった。

 スプリングボクス(Springboks、南アフリカ代表の愛称)初の黒人主将となったシヤ・コリシ(Siya Kolisi)は、「ラグビーW杯王者」と派手に記されたオープントップバスに乗り、ウェブ・エリス・カップ(Webb Ellis Cup、W杯の優勝トロフィー)を掲げた。

 これに先駆けスプリングボクスはプレトリアも訪れており、同国のシリル・ラマポーザ(Cyril Ramaphosa)大統領は、自身はコリシよりも人気が低いと冗談を飛ばした。

 政府庁舎のユニオンビル(Union Buildings)でチームを歓迎したラマポーザ大統領は、ありがとうという気持ちに満ちた南アフリカを代表して「われわれの戦士」に対する感謝の言葉をかけ、コリシの圧倒的な人気を振り返った。

「彼らは戦の場に赴き、勝利し、W杯のタイトルをあるべき場所である南アフリカに持って帰ってきた」とコメントした。

「彼らはわれわれのことを世界的に有名にした。この勝利がわが国にもたらす影響について感謝する。皆さんはこの国の多くの人を元気づけた」

「選挙がなくて良かった。シヤ・コリシと争わねばならないところだったし、(彼は)大統領になり得るからね」

 ソウェトの後、凱旋(がいせん)ツアーはダーバン(Durban)やイーストロンドン(East London)、ポートエリザベス(Port Elizabeth)を回り、11日の最終日はケープタウンを訪れる。(c)AFP