ソロモン諸島の島丸ごと賃貸、中国企業の契約は「無効」現地政府
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【10月25日 AFP】南太平洋の島しょ国、ソロモン諸島の首相府は25日、同国のセントラル州(Central Province)が中国国営の「中国森田企業集団(China Sam Group)」と交わしたツラギ(Tulagi)島全体の賃貸契約について、違法であり「直ちに破棄せねばならない」とする声明を発表した。
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声明は、州政府にツラギ島に関する契約を締結する権限はないと断じている。ツラギ島の入り江は水深が深く軍港として理想的だ。
さらに、中国森田はソロモン諸島における外国投資家資格を得ていないと指摘し、ジョン・ムリア(John Muria)法務長官が承認していない契約は無効だと結論付けた。
セントラル州が中国森田と「戦略的提携契約」を結んだのは9月22日だが、この事実は今月初め、同契約の写しを入手したメディアが報じて初めて明らかになった。これに先立ちソロモン諸島は中国と対立する台湾と断交し、9月21日に中国と正式に国交を樹立している。
ツラギ島は面積約2平方キロメートル、人口およそ1200人の小さな島。かつては旧日本海軍が拠点を置き、第2次世界大戦(World War II)の激戦地の一つとなった。
セントラル州と中国森田との契約は、ツラギ島での石油精製所開設が目的とされている。だが、米国とオーストラリアは、中国が軍事基地として兼用する恐れがあると懸念を示している。(c)AFP