米老舗銃器メーカー、コルト 民間人向け半自動小銃の製造を当面中止
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【9月21日 AFP】米国の老舗銃器メーカー、コルト・ディフェンス(Colt Defense)は19日、半自動小銃AR15の民間人向けの製造を当面中止すると発表した。理由として市場での供給過剰を挙げ、国内で最悪レベルの銃撃事件でAR15が使用されてきたことには言及していない。
コルトのデニス・ベイユ(Dennis Veilleux)最高経営責任者(CEO)は19日、「この数年間で、現代的なスポーツライフルに対する需要は、製造能力を大幅に上回ってきた」と文書で発表。「当面、スポーツライフルは十分に供給された状態とみている」と述べ、米軍や警察向けのアサルトライフルや、世界的に有名な同社のリボルバー(回転式拳銃)の製造は続けていくことを明らかにした。
ベイユ氏は、多数の死者を出している国内の銃撃事件でAR15の使用率が高いことや、民間人が殺傷能力の高い武器を利用できるという現状への規制を求める声が高まっていることについては触れていない。一方で、個人が銃器を保有・所持する権利を保障している「憲法修正第2条をコルトは支持している」との考えを表明している。
コルトは、軍用の回転式拳銃M13を基にした銃を米国で初めて民間用に転用・販売した銃器メーカー。販売開始後、AR15はライフル銃の総称となり、米国中の猟師や銃マニアの間で人気が広まった。
しかしAR15は、近年、米史上最悪レベルの銃撃事件でも使用されてきた。2012年にコネティカット州サンディフック(Sandy Hook)の小学校で起きた銃乱射事件(生徒20人を含む26人が死亡)や、2018年にフロリダ州パークランド(Parkland)の学校で起きた銃乱射事件(17人が死亡)でもAR15が使われていた。(c)AFP