【10月19日 CNS】中国・浙江省(Zhejiang)永康市(Yongkang)の高速道路で先月、多くの車が行き交う中、キックボードを押す2人の子どもがいた。これを見つけた運転手は大いに肝を冷やした。

 東永(Dongyong)高速道路を走行していた童さんは、方岩料金所から約500メートルの高速道路上で、赤いシャツと青いシャツを着た2人の3歳前後の子どもがキックボードを押しているのを発見した。子どもらのすぐ脇をたくさんの自動車が高速で通り過ぎていくので非常に危険だ。

 童さんはすぐにハザードランプを点灯し、車を路肩に寄せて停車。後方の安全を確認しつつ、幼児2人を高速道路上から下ろした。続けて110番に通報し、救助を依頼した。

 派出所の警官が現場に到着すると、2人の子どもは手でキックボードを持ち、何も無かったかのように料金所でおとなしく待っていた。

「君たち、名前は?パパとママはどこにいるの?家はどこ?」との質問に、子供らは茫然とした様子で答えはない。警官は我慢強く何回も問い続けるうち、子供の一人が一つの方向を指さしながら「おうちはあっち」と答えた。

 警官らは子どもの指さす方向に向かった。周辺の村を30分ほど探したが手掛かりはない。一刻も早く子どもの家族を見つけるため、周辺の監視カメラの画像を調べ、手掛かりを探した。

 方岩派出所が携帯電話のモーメンツで情報と写真を配信したところ、隣接する派出所でも2人の幼児が失踪したとの通報を受けていたことが判明。確認の結果、まさに高速道路上で確保した子どもが失踪した2人だと分かり、子どもらは両親のもとに引き取られていった。

 調べによると、2人の子どもはいとこ同士の3歳、貴州(Guizhou)から当地にある祖父の家に来ている。両親は付近の工場で働いており、昼間は祖母が子供らの面倒を見ていた。祖母の話によると、子どもらは家の玄関口で、キックボードで遊んでいたが、いつの間にかいなくなっていたという。子供らがいなくなったことに気づいた祖母は2時間探しても見つからず、やむなく110番に通報したとのことだ。

 警察は、幼児は安全意識が無いので、保護者はどんなに忙しくても子供から目を離さないよう呼び掛けている。事故が起こってしまってからでは遅い。(c)CNS/JCM/AFPBB News