【8月24日 AFP】米中西部イリノイ州で、電子たばこを吸った後、深刻な肺疾患を発症した患者が死亡していたことが分かった。当局が23日に発表し、同様の症例200件近くの原因究明を急いでいる。

 イリノイ州保健部門責任者のジェニファー・レイデン(Jennifer Layden)氏は、「電子たばこを吸ったとされた後に、原因不明の重度の呼吸器疾患で入院していた成人が死亡したとの報告を昨日受けた」と発表した。死亡した患者の性別は伏せたが、17~38歳の成人であると明らかにした。

 米疾病対策センター(CDC)によると、6月末から今月23日までの時点で、電子たばこに関連する重度の肺疾患の可能性がある症例が、22州で計193件報告されている。

 原因は解明されていないものの、全ての患者が最近、ニコチンか大麻の成分を吸入するために電子たばこを使用していた。使用された製品の多くが検査に回されている。

 しかし、CDCの非感染症疾患部門を率いるイリアナ・アリアス(Ileana Arias)氏は、報告された症例に似た点が見受けられるものの、「共通の症例なのか、もしくは症状が似た異なる疾患なのかは不明だ」と述べた。

 米国では近年、電子たばこを使用する若年層が急増。2018年に電子たばこ製品を使用した中高生は約360万人で、前年比で150万人増えた。従来型の可燃性たばこには推計7000種の化学物質が含まれているが、電子たばこは有害物質が少なく、喫煙より安全だとされている。(c)AFP/Issam AHMED