【7月6日 AFP】内戦下にあるリビアで、首都トリポリをめぐり3か月にわたり続く戦闘の死者が、1000人に達したことが分かった。これには移民収容施設への空爆で死亡した53人が含まれている。国連安全保障理事会(UN Security Council)は5日、停戦を呼び掛けた。

 共同声明によると、安保理はトリポリ東郊タジュラ(Tajoura)で2日夜に起きた移民収容施設空爆を非難し、「全ての関係者に対し、直ちに状況を鎮静化させ、停戦を確約する必要を強調した」。

 リビアでは、東部一帯と南部の大部分が、元国軍将校の実力者ハリファ・ハフタル(Khalifa Haftar)氏が率いる軍事組織により支配されている。ハフタル氏は4月上旬、国連(UN)の承認を受けた国民合意政府(GNA)側の部隊からのトリポリ奪取を目指し、攻勢を開始した。

 世界保健機関(WHO)によると、空爆と地上戦によりこれまでに1000人近くが死亡、約5000人が負傷した。戦闘により10万人以上が自宅からの避難を強いられ、リビア内戦激化の恐れが出ている。

 2日にGNAが掌握するタジュラで起きた移民収容施設空爆について、GNAはハフタル氏の軍隊が実施したと主張している。(c)AFP