スーダン軍事評議会とデモ指導部が新統治機構で合意、トップを軍民の輪番制に
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【7月5日 AFP】スーダンを暫定的に統治している軍事評議会と民政移管を求めるデモ隊の指導部は5日、懸案事項だった新統治機構のトップについて、軍人と文民の輪番制とすることで合意した。
両者は3日、隣国エチオピアとアフリカ連合(AU)の懸命な仲介を受けて交渉を再開し、4日に新たな統治体制について話し合っていた。
スーダンではオマル・ハッサン・アハメド・バシル(Omar Hassan Ahmed al-Bashir)前大統領に対する抗議デモが拡大した後、4月に軍事クーデターでバシル氏が失脚。実権を握った軍事評議会はデモ隊が要求する民政移管を認めず、政治危機に陥っている。
軍事評議会は以前、多数の文民から成る統治機構の設置に同意していたが、トップを文民とするか軍人にするかをめぐってデモ隊指導部と対立。交渉は5月に中断された。
6月3日未明に首都ハルツームの軍本部前で数週間前から座り込みを続けていたデモ隊が強制排除され、多数の死傷者が出たことで、両者の緊張はさらに高まっていた。
仲介したエチオピアとAUによると、交渉初日には統治機構のトップを文民とするか軍人にするかという重要課題は議論されなかったが、紛争地域ダルフール(Darfur)の反体制派に属し、デモに参加していた戦闘員235人の釈放を決定。4日に実行した。
エチオピアとAUはスーダンの危機解決のため、新たな共同提案を起草。文民が多数派を占める統治機構の設置を求める内容で、AFPが確認した暫定案では、文民8人と軍人7人の構成になっていた。
エチオピアのマフムド・ディリール(Mahmoud Drir)氏によると、新統治機構のトップをどうするかは、両者の間の「唯一の相違点」だった。
AUのモハメド・エルハセン・レバット(Mohamed El Hacen Lebatt)氏は記者らに対し、「双方は軍と文民による輪番(大統領)制の統治評議会を設立することで合意した」と述べ、輪番の間隔は「3年か、もう少し長い期間」になるとした。(c)AFP/Abdelmoneim ABU IDRIS ALI