デモ参加者らWFP事務所などに乱入、金銭盗み車を破壊 スーダン・南ダルフール州
このニュースをシェア
【6月22日 AFP】スーダンの紛争地域、ダルフール(Darfur)で今週、抗議デモの参加者らが国連(UN)の世界食糧計画(WFP)と国際援助団体「ワールド・ビジョン(World Vision)」の事務所に乱入し、金銭が盗まれたり自動車が破壊されたりする被害が出た。同国で活動する国連・アフリカ連合ダルフール合同活動(UNAMID)が21日、明らかにした。
UNAMIDによると、この「危険な攻撃」は今月19日と20日、南ダルフール(South Darfur)州グレイダ(Graida)で発生。デモの参加者たちが何に対して抗議をしていたかは明らかにされていない。
スーダンでは数週間前にも、西ダルフール(West Darfur)州エル・ジュネイナ(El Geneina)で同様の事件が起きたばかりだった。
国連の平和維持活動であるUNAMIDは、ダルフール地方で残酷な紛争が勃発してから4年後の2007年以降、同地域に展開している。
ダルフールのアフリカ系反体制派は、オマル・ハッサン・アハメド・バシル(Omar Hassan Ahmed al-Bashir)大統領(肩書きは当時。今年4月にクーデターで失脚)のアラブ系が支配する政府がダルフール地方を政治・経済的に疎外しているとして、武器を取って政府に向かって立ち上がった。国連によると、この紛争で30万人以上が死亡し、250万人が避難を余儀なくされた。
現在は首都ハルツームのコベル(Kober)刑務所で拘束されているバシル前大統領は、オランダ・ハーグ(Hague)の国際刑事裁判所(ICC)から、ダルフール紛争でのジェノサイド(大量虐殺)と戦争犯罪、人道に対する罪の容疑で逮捕状が出されている。バシル前大統領は容疑を否定している。
年月を経てダルフールでの暴力は下火になり、国連の平和維持活動も縮小している。(c)AFP