【6月21日 AFP】アフリカ南部のボツワナで、ハゲワシ500羽以上が死んでいるのが見つかった。ボツワナ政府が明らかにした。死因はゾウ3頭の死骸を食べたためで、密猟者が死骸に毒物を混入していたとみられる。

 大量のハゲワシの死骸が見つかったのはボツワナ北部。死骸の内訳はコシジロハゲワシが468羽、カオジロハゲワシが17羽、ズキンハゲワシが28羽。これらは国際自然保護連合(IUCN)のレッドリスト(Red List)で絶滅一歩手前に分類されている種だ。このほか、ソウゲンワシ2羽の死骸もあった。

 ボツワナの国立公園・野生生物局はハゲワシたちの死因について、密猟者が殺害し有毒化学物質を混入したゾウ3頭の死骸を食べたためだとみられると発表した。野生生物局ではハゲワシの死骸が見つかった日にちや、ゾウの死骸に毒物が混入していた理由は公表していないが、ハゲワシが動物の死骸を狙って上空を飛んでいると密猟が発覚しやすくなるため、ハゲワシを毒殺する目的で密猟者が動物の死骸に毒物を混入することはよくある。

 自然保護活動家たちは先週、ボツワナ各地でゾウの密猟が急増していると警告。2017年と18年には、推定で400頭近くのゾウが象牙目当ての密猟者たちに殺されたという。その一方で、ボツワナでは最近、ゾウの頭数が増えて農民の生活に被害が出ており、ゾウの個体数抑制が必要との理由でゾウの狩猟が解禁され、物議を醸している。(c)AFP