セメンヤが最高裁に上訴、IAAFの男性ホルモン新規定めぐり
発信地:パリ/フランス
このニュースをシェア
【5月30日 AFP】陸上女子800メートルで二つの五輪金メダルを獲得しているキャスター・セメンヤ(Caster Semenya、南アフリカ)が29日、国際陸上競技連盟(IAAF)の新規定に対する異議申し立てが棄却されたことを受け、スイスの連邦最高裁判所に上訴した。
IAAFの新規定は、「高アンドロゲン」のアスリートが女子選手として大会への出場を希望する場合、テストステロン値を下げることを強制する。この規定に対してセメンヤは異議申し立てをしていたが、スポーツ仲裁裁判所(CAS)は今月上旬、セメンヤの訴えを棄却していた。
28歳のセメンヤは29日、スイス連邦最高裁判所に上訴したことを認め、「私は女性。そしてワールドクラスのアスリート。IAAFは私に薬を使わせることも、私が私であることを止めることもできない」とコメントした。
IAAFの新規定では、男性ホルモン値が基準より高い女子選手が400メートルから1マイル(約1600メートル)の種目に参加するためには、体内のテストステロン値を人為的に下げなければならないと定められている。
セメンヤの訴えは「基本的人権」に焦点が当てられており、連邦最高裁判所に「CASの決定を完全に無効とする」よう求めている。
CASはセメンヤの訴えを退けた際、規定について「差別的」だと認めた上で、「女子選手の完全性を保護するというIAAFの目的を達成する手段として、このような差別は必要かつ合理的、そして適切な手段である」と述べていた。(c)AFP