【5月14日 AFP】南アフリカを代表する陸上女子中距離のキャスター・セメンヤ(Caster Semenya)が、女子選手のテストステロン値を制限する国際陸上競技連盟(IAAF)の新規定に対する異議申し立てを退けられたことを受け、同国政府は13日、スイス連邦裁判所に上訴する意向を示した。

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「高アンドロゲン」もしくは「体の性のさまざまな発達状態(性分化疾患、DSD)」のアスリートを対象とするIAAFの新規定は、世界中で激しい論議を巻き起こしている。

 スイス・ローザンヌ(Lausanne)に本部を置くスポーツ仲裁裁判所(CAS)が1日に下した裁定では、テストステロン値が高いアスリートが女子選手として競技を続けていく場合、これらの数値を下げるための治療を受けなければならないとされている。

 南アフリカのスポーツ・娯楽省の広報担当者は、AFPの取材に対して「できるだけ早期に上訴する」と述べると、裁判では過去の判例を基に、規定の実行性や証拠の取り扱い方に関して明確性が乏しいと訴えていく方針であると明かした。

「IAAFがこれらの規定をどのように適用していくのか説明されていない」「われわれは、これまで提示された科学的情報が完全に見過ごされていると感じており、別の裁判所であれば違う判決に至ると確信している」「全ては南アフリカ陸上連盟(ASA)を通じて行っていく」 (c)AFP/Michelle GUMEDE