マリ内閣総辞職、160人死亡の民族間衝突で政府対応に非難
このニュースをシェア
【4月19日 AFP】狩猟民族が牧畜民族の村を襲撃して160人を殺害した事件をめぐって政府批判が高まっていた西アフリカのマリで18日、内閣が総辞職した。
大統領府の発表によると、スメイル・ブベイ・マイガ(Soumeylou Boubeye Maiga)首相と全閣僚の辞任を、イブラヒム・ブバカル・ケイタ(Ibrahim Boubacar Keita)大統領が承認した。
マリでは、情勢が不安定な中部モプティ(Mopti)州で民族間の衝突が激化しており、政府の対応に批判が集まっていた。
特に先月23日、狩猟民族のドゴン(Dogon)人がブルキナファソとの国境に近いオゴサグ(Ogossagou)村を襲い、土地利用をめぐって長年対立してきた牧畜民族フラニ(Fulani)の村人160人を虐殺した事件では、マイガ政権への退陣圧力が高まっていた。
首都バマコでは今月5日、数万人規模のデモが行われ、襲撃事件の増加防止策が不十分だと政府を非難。17日には与野党の議員が共同で、マイガ政権は社会不安を抑え込めていないとして内閣不信任決議案を提出していた。
マリでは北部の広大な砂漠地帯を2012年に国際テロ組織「アルカイダ(Al-Qaeda)」系のイスラム過激派組織が掌握。2013年1月にフランス主導の軍事作戦が開始され、過激派の大半は掃討されたものの、今なお国土の広域が無法地帯と化しており、政府は治安の回復・安定化に苦慮している。(c)AFP