サウジ女性活動家ら、尋問中の拷問やセクハラ被害を証言
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【3月28日 AFP】サウジアラビアの首都リヤドの刑事裁判所で27日、1年近く拘束されてきた女性活動家らに対する裁判が行われた。法廷内にいた人々の話では、女性たちは尋問中に拷問や性的嫌がらせ(セクシュアルハラスメント)を受けたと、涙ながらに証言したという。
人権団体によるとこの女性活動家らは、国際的なメディアや人権団体と接触したなどの罪に問われている。注目の裁判の2度目の審問となったが、外国人記者や外交官らの傍聴は認められなかった。
以前から女性の運転の権利や男性親族が女性に対して抑圧的な権力を握る後見人制度の廃止を求めていた11人は、長年禁止されていた女性の自動車運転が解禁される直前の昨夏、活動家らに対する一斉摘発が行われた際に拘束された。
中には有名活動家のルージャイ・ハスルール(Loujain al-Hathloul)氏や著名ブロガー、大学教授もいる。
審問を聞いた2人がAFPに語ったところによると、家族も傍聴する中、活動家らは涙を流したり互いに慰め合ったりしながら、拘束中の尋問で電気ショックやむち打ちを受け、体をまさぐられたと訴えた。女性らのうち少なくとも1人は、虐待を受けて自殺を試みたと明かした親族もいる。
昨年10月、ジャーナリストのジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏がサウジの工作員らに殺害された事件をはじめ、これまでの人権状況をめぐって国際社会から厳しい目が向けられているサウジ政府は、これらの女性らに対する拷問やセクハラの事実はなかったと否定しているが、今回の裁判で批判はさらに強まっている。
海外を拠点としているルージャイ氏のきょうだいは、ムハンマド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)皇太子の側近で、カショギ氏殺害事件で解雇されたサウード・カハタニ(Saud al-Qahtani)容疑者が、拷問を指揮していたと主張。
そのうちの一人は米CNNに対し、カハタニ容疑者がルージャイ氏に「レイプや殺害、体の切断をほのめかし脅迫していた」と明かし、裁判にかけられるべきはルージャイ氏ではなくカハタニ容疑者だと非難した。(c)AFP/Anuj CHOPRA