IAAF新規則を提訴のセメンヤ、コー会長の「見解は誤り」と非難
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【3月28日 AFP】陸上女子800メートルで二つの五輪金メダルを獲得しているキャスター・セメンヤ(Caster Semenya、南アフリカ)が27日、国際陸上競技連盟(IAAF)のセバスチャン・コー(Sebastian Coe)会長の見解は「誤り」だとして非難した。
大会に出場するためにテストステロン値を基準値まで下げることを強要する規則を提訴しているセメンヤは、4月末に下されるスポーツ仲裁裁判所(CAS)の裁定を待っている。
先日、豪紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)に対しコー会長は、「われわれが性別分類をする理由は、そうしなければ女性は今後タイトルやメダルを獲得することができず、記録を更新することができないからだ」と話した。
26日にセメンヤのチームは、コー会長の発言とそれを報じたデーリー・テレグラフに遺憾の意を表した。
「この10年の間にセメンヤが負った傷は深い」「週末のコー氏のコメントを読んで古傷が開いた。また、デーリー・テレグラフの『筋肉の塊、セメンヤ』という言及は、この問題が中傷的な表現によっていかにゆがめられてきたかを示す最新の実例だ」
「セメンヤが女子競技の脅威だと考えるコー氏は間違っている」
生まれつきテストステロン値が高い選手に薬の服用を強いるこの規則は、昨年11月から適用される予定となっていたが、セメンヤの提訴を受けて延期されている。
2012年ロンドン五輪と2016年リオデジャネイロ五輪の同種目を制したセメンヤは、世界陸上選手権(IAAF World Championships in Athletics)で3度の優勝を成し遂げている。(c)AFP