【3月4日 AFP】エジプトのイスラム教スンニ派(Sunni)の最高権威機関アズハル(Al-Azhar)の指導者、アフメド・タイブ(Ahmed al-Tayeb)師が1日、一夫多妻制は女性に対して不公平だと発言した。

 アズハルが1日夜にツイッター(Twitter)で明らかにしたところによると、タイブ師は「一夫多妻制は女性と子どもに対して不公平となることがよくある」と述べた上で、その背景には、イスラム教の聖典コーラン(Koran)と預言者ムハンマド(Prophet Mohammed)の言行についての理解不足があると指摘した。

 タイブ師は毎週金曜日に放送されているテレビ番組でもこの問題を取り上げ、「結婚制度は一夫多妻制でなければならないと主張する人々は、全く見当違いのことを言っている」と述べ、コーランには、イスラム教徒の男性が複数の妻を持つには、「公平という大前提に従わなければならない。公平でなければ、複数の妻を持つことは許されない」と記されていると指摘した。

 こうした発言を受けて、ソーシャルメディアでは熱い議論が巻き起こったが、アズハルは2日、タイブ師が一夫多妻制の禁止を求めたわけではないと明確に示した。

 1日の発言の中でタイブ師は、女性が抱える問題を解決する方法を改善しようとはっきりと呼び掛け、「社会の半分は女性だ。女性を顧みないのは、片足だけで歩くようなものだ」と述べたという。

 エジプトの女性権利団体「国家女性評議会(National Council for Women)」は、タイブ師の今回の発言を歓迎した。(c)AFP