太平洋諸島の国々、ラグビーW杯日本大会ボイコットを検討
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【3月2日 AFP】ワールドラグビー(World Rugby)が提案している新方式の大会「リーグ・オブ・ネーションズ(League Of Nations)」に関して、太平洋諸島出身のメンバーで構成されている選手会が1日、この計画の内容に反発してW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)のボイコットを検討していることが明らかになった。
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主に欧州など海外を拠点にプレーしている太平洋諸島出身のプロ選手600人で組織されている選手会「パシフィック・ラグビープレーヤーズ・ウェルフェア(PRPW)」はコメント文を発表し、今年のW杯をボイコットすることについて、「選手からの合理的な抗議」であると主張した。
英ロンドンに拠点を置くPRPWが不満を訴えている理由は、計画では太平洋諸島の国々が除外されているとメディアで報じられたことで、これを受けて選手会は新リーグについて「テレビで盛り上がるためのトップ12チームによる世界リーグ」だと見なした。
当初の報道では日本とともにフィジーが含まれる予定だったものの、日刊紙ニュージーランド・ヘラルド(New Zealand Herald)は先月28日、ワールドラグビーの計画ではフィジーが米国と入れ替わったと報道。同紙の概算によると、参加国が大会で受け取る金額は、1チームにつきニュージーランドドルで1000万ドル(約7億6000万円)から1400万ドル(約10億6500万円)になるという。
大会は少なくとも10シーズンは昇降格がなく、これによりフィジーをはじめサモアやトンガ、そしてその他に頭角を現しているジョージアなどがリーグに参戦するチャンスは皆無の見通しとなる。
元サモア代表のLOで、欧州のあらゆるレベルのリーグでプレーする太平洋諸島出身の選手たちを代表するPRPWの会長であるダニエル・レオ(Daniel Leo)は、「スーパーラグビー(Super Rugby)が発足したときと全く同じだ」とすると、「彼らの合言葉は、『自分たちの選手を起用しよう。しかし、何があっても太平洋諸島は除外しておくこと』だ」と訴えた。
「これはパシフィックラグビー界の大惨事パート2だ」
レオはまた、今回の件で「ワールドラグビーが純粋なラグビーファンを失望させていることは極めて明白だ」とすると、「今こそパシフィックラグビーが、選手たちを通じて訴えるときである。神はわれわれの島々に恵みを与えてくださった。そのことが、この悲惨な出来事を阻止してくれるだろう」と語った。(c)AFP/Peter BERLIN