米朝会談終えた金正恩氏、ベトナムを公式訪問
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【3月1日 AFP】ベトナムに滞在中の北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長は1日、同国への公式訪問を開始した。金委員長は2月26日にベトナム入りし、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領との首脳会談に臨んだが、非核化をめぐる協議は不調に終わった。
コロニアル(植民地風)と呼ばれる建築様式で黄一色の国家主席府に到着した金氏は、ベトナムと北朝鮮の国旗を振る子どもたちの歓迎に笑顔で応えた。その後、儀仗(ぎじょう)兵を閲兵した。
国際社会で長らく孤立してきた北朝鮮は、「普通の国」というイメージを打ち出すことに一層注力してきている。権力継承後、6年以上全く外遊していなかった金氏は、この1年足らずで中国、韓国、シンガポールに次いでベトナムの4か国を訪問した。
金氏の祖父である故金日成(キム・イルソン、Kim Il-Sung)主席による1964年の訪越以来、北朝鮮の最高指導者として同国を訪れた金氏の姿を一目見ようと、1日にはハノイ市内に大勢が集まった。
とはいえ、誰もが好意的に受け止めたわけではない。市民の一人は、「米朝会談は失敗した。ベトナムがどれだけ投資したかは知らないが、相当なものに違いない」「私はトランプ氏も金氏も好きではない」とAFPに語った。
訪越に当たり、中国を経由して約4000キロを2日半かけて鉄道で移動した金氏は2日、ベトナム初代国家主席ホー・チ・ミン(Ho Chi Minh)廟(びょう)や戦死者追悼碑に花輪をささげた後、やはり列車で帰途に就く予定。(c)AFP