【3月1日 AFP】全米レコード協会(RIAA)が2月28日まとめた報告書によると、2018年の米音楽産業全体の売り上げはストリーミングの成長が続いたおかげもあり、3年連続となる2桁成長を記録した。

 音楽作品の売上高は小売りベースで前年比12%増の98億ドル(約1兆900億円)で、売り上げの75%をストリーミングが占めた。

 スポティファイ(Spotify)やタイダル(Tidal)のような有料ストリーミングサービスの米国内における契約数は初めて5000万件を突破。総売上高は前年比32%増の54億ドル(約6000億円)となった。

ユーチューブ(YouTube)やスポティファイ無料版のような、広告型オンデマンドストリーミングプラットフォームの売り上げはストリーミング形式の中では著しく伸び悩んだものの、前年比15%増となる7億6000万ドル(約850億円)となった。

 一方でデジタルダウンロードの売り上げは6年連続で減少。また、CDの売上高は1986年以来初めて10億ドル(約1100億円)の大台を割り込んだ。

 しかし、根強い人気のアナログ盤の売上高は前年比8%増の4億1900万ドル(約470億円)となり、1988年以降で最高を記録した。

 RIAAのミッチ・グレイジャー(Mitch Glazier)会長兼最高経営責任者(CEO)は、「音楽業界が引き続き多くの困難に直面しているのは間違いない」「売上高が再び100億ドル(約1兆1000億円)に迫っていることは注目すべきことだが、それでも2007年の水準へと回復するだけだ」と述べたものの、音楽制作に携わる人たちの間では希望的な観測も広がっているとの見解を示した。(c)AFP