学校の「スマート」制服、便利さ以外にも注意が必要 中国の一部地方に導入
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【3月2日 東方新報】顔認証による出席確認、GPSによる位置確認、キャッシュレス。メディアの報道によると、「スマート制服」なるものが中国・西南地区の小中学校10か所で試験導入され、議論の的になっている。
制服メーカーによると、制服の両肩にチップを埋め込むことにより、児童・生徒らの出席管理、教務管理、学校と家庭間の連絡機能などの役割を果たすことができるとしている。しかし「監視や制限が多くなり、子どものプライベートを犯すのではないか」「収集されたデータはどこでどのように使われるのか」といった疑問も出てくる。
制服メーカーは「まだ児童・生徒に対して全面的な監視と管理を開始していない。位置情報はまだ一部の保護者の要求に対応しているだけ。データの安全性も公安部門によって厳重に管理されている」としているが、「スマート制服」は安全で心配はないということになるのだろうか。
現在入手できる情報を見ると、顔認証とカメラなどを組み合わせて使用することで、学校側は児童・生徒の遅刻や早退、寄宿舎への出入り、授業時間中の居眠りなどの状況を随時、把握できる。保護者側も子どもの学校内での状況や動きなどをいつでも知ることができる。つまり、「スマート制服」は子どもを常に監視・管理可能な状態に置くものと言うことができ、子どもの管理面で便利な側面はある。ただ、同時に大きな欠点もある。
一つは、子どもの消費行動や所在地データが随時収集され記録されることを、学校、保護者と本人自身が理解し、同意しなければならない。
二つ目は、青春期にある子どもらが、常時監視されることによる無力感や激しい反抗につながらないかという点。
さらには、安全性の問題。「スマート制服」のデータはインターネット経由で伝送される。ネットには無数のウイルスなどのさまざまなリスクが待ち構えているのではないか。
「スマート制服」が学校内に入るためには、データを安全に使えることと、リスクを適時に発見でき有効な対策を打って回避できることが求められる。(c)東方新報/AFPBB News