【2月28日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の元顧問弁護士マイケル・コーエン(Michael Cohen)被告は27日、議会証言に立ち、トランプ氏を「詐欺師でペテン師の人種差別主義者」と呼んで激しく批判した。同被告は、トランプ氏の下で10年間働いたことを恥ずかしく思うと述べた。

 コーエン被告は席上、トランプ氏は不倫相手だったポルノ女優への口止め料を違法な形で支払うことを同被告に指示したと証言。また、2016年大統領選挙の際、民主党のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)候補に打撃となる情報が内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」で公開されたことについて、同被告は、トランプ氏は事前に知っていたと述べた。トランプ氏はこれらの疑惑を否定している。

 さらにコーエン被告は、トランプ氏が2016年の選挙運動中、ロシアとビジネス上の関係はないと言いながら、モスクワでのトランプタワー(Trump Tower)建設計画の交渉を指示したと証言。この計画について、トランプ氏から偽証するよう暗黙の指示を受けたとしたほか、同被告が2017年に行った議会証言は、ホワイトハウス(White House)の法律顧問らが「精査し、編集した」ものだったとした。

 大統領選でのトランプ陣営とロシアの共謀疑惑について、コーエン被告は、直接の裏付けとなることは知らないと明言する一方、トランプ氏が共謀に関与したとの「疑いを抱いている」と述べた。

 民主党のラジャ・クリシュナムルティ(Raja Krishnamoorthi)下院議員はコーエン被告に対し、まだ公聴会で取り上げられていないトランプ氏関連の犯罪を知っているかと質問。同被告は「知っている」と答える一方、「ニューヨーク州南地区連邦検察による現在進行中の捜査の一部である」ため証言できないと述べた。

 コーエン被告は選挙資金法違反と議会での偽証の罪を認め、禁錮3年の刑を言い渡されている。(c)AFP/Elodie CUZIN