【2月27日 AFP】(更新、写真追加)パキスタン軍は27日、カシミール(Kashmir)地方のパキスタン領空でインド空軍機2機を撃墜し、インド軍操縦士1人を拘束したと発表した。両国は同地方の領有権をめぐって対立しており、インド政府は前日の26日、インド軍の戦闘機がパキスタン領内で過激派拠点を空爆したと表明している。

 パキスタン軍報道官のアシフ・ガフール(Asif Ghafoor)少将がツイッター(Twitter)に投稿した内容によると、撃墜したインド空軍機2機のうち1機はパキスタン領内に、もう1機はインド領内に墜落したという。

 また、パキスタン軍は地上にいたインド人操縦士1人が拘束されたと明らかにしたものの、詳しい内容はわかっていない。

 一方でカシミール地方のインド実効支配地域の政府高官はAFPに対し、パキスタン軍の複数の戦闘機が停戦ラインを越境してインド領空に侵入し、その後引き返したと述べた。

 インドのPTI通信によると、パキスタン機は引き返す際に爆弾を投下したが、死傷者や被害については不明だという。

 またパキスタン外務省も声明で、同空軍が停戦ラインを越境して「攻撃に着手」したと表明。詳しい内容やインド機撃墜には触れなかったものの、攻撃が軍事的な標的を狙ったものではなく、戦闘拡大を意図したものでもないと指摘した。

 インド空軍機を撃墜したとの発表から数時間後、ガフール少将は首都イスラマバード近郊のラワルピンディ(Rawalpindi)で開いた記者会見で、「エスカレートも、戦争へ向かうことも望まない」と述べ、インド側との協議を求めるとともに、インド人の操縦士2人を拘束し、うち1人は病院にいることを明らかにした。

 カシミール地方をめぐっては今月14日、インドの実効支配地域で自爆攻撃が発生し、治安部隊員40人以上が死亡。パキスタンで活動するイスラム過激派ジェイシモハメド(JeM)が犯行声明を出した。(c)AFP