新華社のAIキャスターが進化 立って身振り手振りも
このニュースをシェア
【2月26日 Xinhua News】中国の人工知能(AI)合成によるテレビキャスターが「動き」出した。しかも相手役までいる。新華社と検索サイトの捜狗(Sogou)はこのほど、北京で全面的に進化した立ち姿勢のAI合成キャスターと、世界初のAI合成女性キャスターを発表した。これはAIとニュース取材・編集を深く融合した最新の画期的成果で、メディアの高度融合発展に向け新たな可能性を切り開いた。
▽技術進化を背景に、座る姿勢から立ち姿勢へ
AI合成キャスターは技術的ハードルを乗り越え、技術面でさまざまな飛躍を遂げた。この「新小浩」と命名された立ち姿勢のAI合成キャスターは、新華社キャスターの邱浩(Qiu Hao)氏をモデルにし、音声と画像の両面で最適化とブレークスルーを果たしている。音声の面では、最先端の波形生成技術を取り入れて音声を合成することで、合成音声の表現力と迫真性が大幅に向上、より感情のこもった音声になっている。画像の面では、作成モデルの最適化とマルチスタイルデータの使用により、より真に迫った表情合成、体の動きと適切な語義の選択、またより自然な唇の動きを実現した。
「新小浩」は座ってニュースを伝えるだけでなく、立つこともでき、身振り手振りなどさまざまな体の動きによって、声も情感も持つ申し分ないニュース報道ができ、よりスマートで、本物の人間に近づいている。
注目される、新たに登場したAI合成女性キャスターについてプロジェクトの責任者は、AI合成キャスターのより成熟した技術に基づき、最近の報道の実践を組み合わせることで、AI合成女性キャスターのカスタムサイクルは大幅に圧縮され、放送効果と安定性も著しく向上したと話している。近く開幕する第13期全国人民代表大会(全人代)第2回会議と中国人民政治協商会議(政協)第13期全国委員会第2回会議の報道が、AI合成女性キャスターの正式デビューになる予定。
▽勤務3カ月、AIキャスターの成績表
昨年11月に開催された第5回世界インターネット大会で、新華社と捜狗は共同で世界初の合成ニュースキャスター「AI合成キャスター」を発表。最新のAI技術を使って、本物のキャスター同様の報道能力を有する「分身」を登場させ、世界のAI合成とニュース分野の先駆けとなり、注目を集めた。
▽世界初のスマート化編集部を後押し
新華社はAI技術がニュース業態に与える影響を非常に重視しており、AIとニュースシーンとの深い統合の模索に注力している。このため現在、スマート技術を基礎とし、人と機械の共同作業を特徴とし、生産・放送効率の大幅引き上げを重点とする世界初のスマート化編集部の構築を加速させている。全過程に「媒体大脳」のようなスマート生産技術が組み込まれ、全面的にスマート技術の応用を促進し、企画、取材、編集、原稿・写真提供から放送まで一体化された指揮、多くのプロセスの連携、多くの端末への配信を実現、技術構築とコンテンツ構築の深い統合を促進する。今回発表された進化版AI合成キャスターは、スマート化編集部構築の重要部分であり、新華社がAI技術を運用し、メディアの高度融合を推進する上での最新の成果といえる。
新華社と捜狗は今後、自社業務の発展ニーズを結び付け、AI合成キャスタープロジェクトを中核として、ニュース取材・編集分野におけるAI応用について、全方位的協力を展開していく。(c)Xinhua News/AFPBB News