【2月26日 AFP】中南米諸国とカナダでつくる「リマ・グループ(Lima Group)」は25日の会合で、ベネズエラのニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)政権による市民への暴力と国際支援物資の搬入妨害を「人道に対する罪」と宣言するよう国際刑事裁判所(ICC)に要請すると表明した。

 会合はコロンビアの首都ボゴタで開かれたもので、マイク・ペンス(Mike Pence)米副大統領も出席した。

 ペンス副大統領は閉会後、ベネズエラの野党指導者フアン・グアイド(Juan Guaido)氏と会談し、マドゥロ大統領への包囲網を狭める戦略で合意した。

 同副大統領は「われわれは平和的な民主主義への移行を望んでいるが、(ドナルド・)トランプ(Donald Trump)大統領はあらゆる選択肢が俎上(そじょう)に載っていると明言してきた」と表明。さらに、トランプ大統領はグアイド氏を「100%」支持していると伝えた。

 ベネズエラでは先週末、対コロンビア、対ブラジルの両国境で、ベネズエラに人道支援物資を搬入しようとしたグアイド氏の支持者らと、搬入を阻止しようとする同国治安部隊が衝突。計4人が死亡し、数百人が負傷する事態が発生していた。

 グアイド氏はリマ・グループの会合で、マドゥロ大統領を「甘やかす」ことは「米州全体に対する脅威になる」と警告。また、コロンビアのイバン・ドゥケ(Ivan Duque)大統領は、マドゥロ大統領に「より強力かつ効果的な」圧力をかけるよう呼び掛けた。

 だがリマ・グループは、民主的な政権移行を達成するため軍事力を行使することを否定した。

 米国はベネズエラ情勢をめぐり、国連安全保障理事会(UN Security Council)の緊急会合の開催を要求。また、マドゥロ大統領と連携して支援物資の搬入を妨げたベネズエラ4州の知事に対し、新たな制裁を科した。(c)AFP/Hector Velasco