【2月26日 Xinhua News】中国の鉄道車両最大手、中国中車傘下の唐山軌道客車は22日、中国で初となる編成可変型の高速鉄道車両(動車組)が、同社で60項目以上の工場内試験を終え、独自の編成組み換え検証に合格。出荷条件を満たしたことを明らかにした。

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 高速鉄道車両は誕生から半世紀以上、一般的に固定編成方式が採用されてきた。同社のプロジェクトチームは、高速鉄道の固定編成モデルを打破し、車両の設備や機能、構造で再設計と再定義を行い、2階建て車両や大定員縦向き寝台車、ビジネスシート車両、寝台座席可変車両、食堂車・客車と貨物車の合造車などで新型車両を開発した。

 編成可変型車両プロジェクトで主管設計師を務める張慶剛(Zhang Qinggang)氏によると、今回のプロジェクトでは、先頭車を前後につなげた2両編成を最小編成とし、旅客量の変化により編成を拡大する必要が生じれば、速度と出力に基づき最も効率的な組み合わせを算出するという。2~16両の範囲内で動力車と客車を自由に組み合わせ、速度等級や編成数、座席配置の異なる車両を「積み木遊び」のようにすばやく組み替えることができる。

 張氏は、編成可変型の高速鉄道車両は旅客数の変動や乗客のニーズに柔軟に対応し、高速鉄道列車のコストパフォーマンスと実用性を向上させることができると説明。例えば、新型の大定員縦向き寝台車や2階建て車両、ビジネスシート車両は、従来型に比べ輸送能力がそれぞれ50%、33%、70%向上しており、オフシーズンに運賃の変動幅に余裕を持たせ、繁忙期に輸送力を大幅増強して旅客のピークに対応することが可能だと語る。また、食堂車・客車と貨物車の合造車の下部に独立した貨物室を設けることで、小型の保温・冷蔵コンテナや宅配便、託送手荷物、鉄道小包などのスピード輸送を実現。高速鉄道車両の貨物輸送におけるこれまでの空白を埋め、生鮮品輸送や救急医療輸送を行う物流業界にも影響を及ぼすという。

 編成可変型の高速鉄道車両はすでに80以上の特許を申請し、中国優秀工業設計賞金賞や中国設計知的創造賞を獲得している。中国の高速鉄道の品質と効率を一層高め、コストを削減し、旅客の移動条件を最適化するための解決プランをもたらしたといえる。(c)Xinhua News/AFPBB News