セレーナ風刺画の人種差別を否定、豪監視委が結論 全米OPで騒動
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【2月25日 AFP】オーストラリア報道評議会(Australian Press Council)は25日、同国メルボルンの地元紙ヘラルド・サン(Herald Sun)が掲載し、人種差別および性差別であるとの批判を受けた女子テニスのセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)の風刺画について、報道基準に違反するものではなかったと結論付けた。
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ヘラルド・サンは昨年9月、大坂なおみ(Naomi Osaka)との全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2018)決勝で怒りを爆発させたセレーナを描いたマーク・ナイト(Mark Knight)氏の風刺画を掲載。
風刺画にはたくましい体格で分厚い唇をしたセレーナが試合中におしゃぶりを吐き出す姿が描かれており、これには人気児童小説「ハリー・ポッター(Harry Potter)」シリーズの原作者J・K・ローリング(JK Rowling)氏や米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)をはじめ、世界中から非難の声が上がった。
しかし、同紙は「PC(ポリティカル・コレクトネス<偏見や差別を含まない中立的な発言や行動>)ワールドへようこそ」という見出しをつけて問題の風刺画を紙面トップに再掲載し、米国の人種隔離時代における描写のようだとする批判にすぐさま反論していた。
そして評議会はこの日、今回の風刺画は「女性に対して侮辱的もしくは性差別的になり得る表現や、アフリカ系米国人に対する人種的ステレオタイプになる可能性のある」ものだという訴えを受けたとコメント。
さらに、セレーナが「大きな唇に横に広がった鼻、実際の試合中の髪形とは異なるワイルドなアフロスタイルのポニーテール、そして猿のようなポーズ」で描かれたことには懸念があったと補足した。
しかし評議会は、跳びはねながらおしゃぶりを吐き出す姿を描くことで、セレーナの振る舞いを単に「幼稚」だと表現したかったという同紙の意図を容認するとし、「問題の風刺画は、その主張を理解してもらうために誇張された滑稽な表現が用いられた」と続けた。
また、評議会は今回の風刺画を不快に感じた読者がいたと認めながらも、セレーナと全豪オープン決勝を裁いた主審の間で起きた騒動をめぐり「振る舞いやスポーツマンシップについて批評することに多くの国民の関心」があったとも付け加え、人々の気分を害したりしないようにするために、ヘラルド・サンが適切な措置を怠ることはなかったとした。
米ニューヨークで行われた全米オープン決勝で、四大大会(グランドスラム)通算23勝を誇るセレーナはラケットを破壊したり、主審を「うそつき」や「盗人」と呼んだりして激高。試合も大坂に敗れた。(c)AFP