個人崇拝高まるタジキスタン、大統領自身が過剰な賛歌を懸念
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【2月24日 AFP】中央アジアのタジキスタンで、権威主義的な指導者として知られるエモマリ・ラフモン(Emomali Rakhmon)大統領(66)をめぐる個人崇拝が勢いを増す中、ラフモン大統領本人がこのたび、自身をたたえる歌謡曲を控えるよう呼び掛けた。国営テレビが21日、報じた。
国営テレビによると、長年大統領の座にあるラフモン氏は、「ミュージックビデオを通じた、大統領個人に関する過剰な宣伝」への「懸念を表明した」上で、「大統領はテレビおよびラジオ放送委員会の指導部に対し、代わりに国民のたゆまぬ努力や同国の偉業、太古からの大地固有の自然に光を当てるよう指示した」という。
旧ソ連の構成国だった中央アジアの国々では、大統領に対する個人崇拝が常態化しており、政治的な対抗勢力や独立系のメディアはほとんど存在しない。
隣国ウズベキスタンでも、シャフカト・ミルジヨエフ(Shavkat Mirziyoyev)同国大統領をたたえる曲に対して当局が注意を喚起。
あるミュージシャンによる「わが大統領とセルフィー(自撮り写真)」という曲がリリースされたことを受けて、音楽業界の規制当局トップは先週、ミルジヨエフ大統領は「アーティストらによる宣伝を必要としていない」と発言していた。
同曲は国内で最も人気の高い娯楽チャンネルで定期的に放送されたものの、ソーシャルメディアのユーザーたちからは幅広い批判を招いていた。 (c)AFP