【2月25日 東方新報】中国・遼寧省（Liaoning）大連市（Dalian）で摘発されたゴマフアザラシの密漁事件で、密漁者は各地の水族館へ販売しようとしていたことがわかった。人民政府新聞弁公室はまた、生き残った62頭のゴマフアザラシの赤ちゃんについて、状況をみて3～5月に海へ戻す見通しを明らかにした。

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　現在、長興島（Changxingdao）警察が5人をすでに逮捕しており、残る数人の容疑者についても捜索を続けている。

　調べによると、逮捕された容疑者らは2019年1月中旬から数度にわたり、遼東湾北部の氷結した海域でアザラシを密漁。帰港の際には、目立たない小規模な埠頭に上陸し、約50キロ離れた村の養鶏場でアザラシを一時的に保管し、移送の機会をうかがっていた。主に各地の水族館への転売を目的としており、高値で取り引きされる生殖器は切除されていなかったという。

　大連ゴマフアザラシ国家級自然保護区管理局では、保護されたアザラシについて、条件に合うものはすべて海に戻すとしており、回復状況を見て段階的に3～5月に海に返すとしている。

　国家二級保護動物のゴマフアザラシは、中国海域に唯一繁殖する鰭脚（ききゃく）類動物。渤海（Bohai Sea）遼東湾結氷区は、世界に8か所あるゴマフアザラシ繁殖区の一つで、1992年に大連市が渤海沿岸にゴマフアザラシの自然保護区を設置して以来、遼東湾のアザラシの数はほぼ2000頭前後で安定している。

　大連公安局、大連市自然資源局、ゴマフアザラシ保護区館管理局など多くの部門は、共同による調査や巡回を強化し、アザラシの越冬を安全に確保するための支援策などを制定する予定だ。(c)東方新報/AFPBB News