【2月22日 AFP】ブルガリア環境省は21日、サバイバル番組の中でカエルを殺してキャンプ用の携帯コンロでゆでた英国人の冒険家ベア・グリルス（Bear Grylls）氏の行為を問題視し、罰金を科す方向で検討していることを明らかにした。

　問題となっている番組は、グリルス氏の名を冠した米テレビシリーズ「ランニング・ワイルド（Running Wild With Bear Grylls）」。2017年にブルガリアのリラ（Rila）山脈で収録された回で、グリルス氏と米国人ダンサーのデレク・ハフ（Derek Hough）氏がカエルを殺し、内臓を抜きとって調理した後、湖を泳ぐ様子が撮影されていた。

「収録中に保護区域内における規則や行動規制に対する違反があったことは、映像資料から明らかだ。カラカシェヴォ（Karakashevo）湖の水辺への侵入や遊泳も、火を使うことも、動物を捕まえて殺すことも、違反行為だ」と環境省の声明は述べている。

　ブルガリア南西部にあるリラ国立公園は国内最大で、自然保護区域に指定されている。環境省によると、番組スタッフは収録中にしてはならないことについて事前に説明を受けていたという。

　番組の制作会社には罰金500～5000ユーロ（約6万3000～63万円）が、出演者2人には同250～2500ユーロ（約3万1000～31万円）が科される恐れがある。

　英陸軍特殊空挺部隊（SAS）出身のグリルス氏は、英米の冒険番組でさまざまなサバイバル術を披露して名声を築いてきた。2015年には米アラスカでバラク・オバマ（Barack Obama）米大統領（当時）と共演し、クマが食べ残して隠していたサケを食べている。(c)AFP