【2月21日 AFP】ボクシング、WBAウエルター級王者のマニー・パッキャオ(Manny Pacquiao、フィリピン)が20日、自身と同じボクシングの道へ進んだ19歳の長男に対して、母親を泣かせたくないからリングへは上がるなと、ボクシング挑戦をやめるよう促していたことを明かした。

 パッキャオの息子である「ジミュエル」ことエマニュエル・ジュニア(Emmanuel Pacquiao Jr)さんは先日、父親の異名である「パックマン」のロゴが入ったグローブとヘッドギアを身に着けて試合に臨み、父親を思い起こさせる攻撃的なボクシングで相手に膝をつかせる映像がSNSに投稿された。パッキャオもテレビ電話で観戦し、試合前に息子に言葉をかけるところがカメラにとらえられている。

 しかし、ボクシングで前人未到の8階級制覇を達成したパッキャオは、家にはグローブや用具を持ち込まないという取り決めを夫人との間で交わしているという。そして貧しい路上生活から富豪へと成り上がったパッキャオは、息子に別の道を歩むよう求めていた。

 パッキャオは国内テレビ局のABS-CBNで、「息子がボクシングをやっているのはつらいよ。どれだけ大変か知っているからね。本人に言ったんだ。『父さんがボクシングを選んだのは貧乏だったからというだけなんだ。お前はやる必要はない』」と話した。

「それでも息子はこう言ってきた。『父さんと一緒で、僕もボクシングに夢中なんだ。自分はスポーツ選手としてこの国を代表する人間になりたい』」

 パッキャオによれば、40歳の夫にも引退を勧めているジンキー(Jinkee)夫人は、「泣きながら息子に『ボクシングはやらないで』と頼み込んでいた」という。それでも「息子の決意は本物だった」のだそうだ。

 パッキャオに近い人物によれば、ジミュエルさんは2018年12月にボクシングを始めたばかり。父親はその1か月後にエイドリアン・ブローナー(Adrien Broner、米国)に快勝して王座を防衛した。(c)AFP