【2月24日 東方新報】かつては肉食動物だったと言われる愛らしいジャイアントパンダは、長い進化の歴史を経て「菜食主義者」となった。その大きくて鋭く、頑丈な歯は竹を粉々にして胃袋の中に納める。

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 中国科学院金属研究所、材料疲労・断裂実験室の劉増乾(Liu Zengqian)博士の研究チームはこのほど、パンダの歯に自己修復の機能が備わっていることを初めて発見し、新しいバイオミメティクス(生物模倣)材料の開発などの研究に新たな進展を迎えようとしている。

 研究によると、自己修復を可能にしているのは、主に歯の高密度なエナメル質に豊富に含まれるミネラルの隙間と、巧妙な組織構造のためだという。

 劉博士によると、パンダの歯のミネラル質は樹木のように垂直で、緊密に並んだ「木々」がエナメル質の「堅固な森林」を形成し、ミネラル質でできた「木々」の間にある細かい隙間を有機物質が埋めている。ミクロレベルでみると、エナメル質の変形や損傷、自動修復機能はこの小さな隙間の中で実現されていると説明する。

 研究チームは、パンダの歯に対する主な種類や形式、組織構造など特徴も解明しており、今後はさらに性能面でのメカニズムの解明や、バイオミメティクス材料を精製するための計画を立てていくという。(c)東方新報/AFPBB News