【2月19日 AFP】ホンダ(Honda)は英南部スウィンドン(Swindon)にある工場を2022年に閉鎖する見通しだ。英メディアが18日報じた。閉鎖されれば3500人が失職する恐れがあり、地元では「ホンダがなくなれば町は終わりだ」と嘆く声が上がった。

 スウィンドン工場はホンダが欧州連合(EU)域内に持つ唯一の生産拠点で、24年余りにわたってシビック(Civic)などを生産してきた。工場の年間生産台数は15万台。

 英テレビ局スカイニューズ(Sky News)によると、閉鎖は19日にも発表される。ホンダは工場を閉鎖する一方で、スウィンドンに近いブラックネル(Bracknell)に置く欧州本社は維持するという。

 英国がEU離脱(ブレグジット、Brexit)に備える中、日産自動車(Nissan)、米フォード・モーター(Ford Motor)も英国の工場で雇用が失われる可能性があると警告してきた。

 ただ、地元選出のジャスティン・トムリンソン(Justin Tomlinson)議員は、ホンダの決定はブレグジットが原因ではないと主張している。

 トムリンソン議員はツイッター(Twitter)に「ホンダとはすでに話をした」と投稿。その上で、ホンダ側から「2021年に欧州市場向け生産をすべて日本に集約することを予定しており、ブレグジットではなく世界的な潮流に基づいた措置だ」との説明があったと明らかにした。

 トムリンソン議員によると、解雇は2021年まで発表されない見通しだという。

 スウィンドンで経理の仕事をしているスー・デービス(Sue Davis)さん(49)はAFPの取材に対し、閉鎖は地元にとって「大打撃」だと話し、「ホンダなしではスウィンドンは終わりだ」と町の将来を案じた。

 デービスさんの元夫も20年間この工場で働いているといい、「彼も仕事を失うだろう。こんなひどいニュースはない」と肩を落とした。

 ホンダは「臆測についてはコメントできない」としている。(c)AFP