【2月14日 AFP】食料不足が慢性化している北朝鮮の首都平壌でこのほど、調理師ら約300人が参加する料理コンテストが開催された。会場となった国営レストランでは、大勢の観客が見守る中、シェフらが腕を振るった料理を慎重に並べた。

「苦難の行軍」と呼ばれ、数十万人が犠牲になった1990年代の大飢饉(ききん)こそ過去のものになったとはいえ、現在も北朝鮮の農作物生産量は世界平均を大きく下回り、国民の栄養不足は依然続いている。

 金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong Un)朝鮮労働党委員長がその解決策になり得ると考えているのがジャガイモだ。

 政府は、米を育てる水田とは異なり、平地でなくても栽培できるジャガイモを主食にする計画を推し進めている。

 国営朝鮮中央通信(KCNA)によると、金委員長は粉末にしたジャガイモの「長所と効用、さらにジャガイモの粉を使ったさまざまな料理を国民に広く宣伝する」必要があると語ったという。

 今回開かれた料理コンテストにもその狙いがあった。会場では、ジャガイモ粉を用いたピザや団子、麺類などが卓上にずらりと並べられ、中にはチョコレートケーキもあった。(c)AFP/Sebastien BERGER