野生「クロヒョウ」の撮影に成功、アフリカでの生息確認 研究
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【2月14日 AFP】観察が非常に難しい野生の「クロヒョウ」をアフリカ・ケニアで撮影することに成功したとの研究結果がこのほど、発表された。撮影には自動撮影カメラが用いられた。同地域ではクロヒョウ目撃のうわさが長い間飛び交っていたが、今回撮影された一連のイメージによってようやくその存在が確認された。
クロヒョウの映像は、ケニア・ロイサバ(Loisaba)動物保護区で野生のヒョウの調査を行っている米サンディエゴ動物園(San Diego Zoo)所属の研究者チームと、同地域で活動している独立系の写真家が同時期に撮影に成功した。
ロイサバ動物保護区の関係者はウェブサイトで「別名クロヒョウとして知られる黒変種のヒョウの珍しい映像がカメラトラップで捉えられたと聞いて非常に興奮している!」と述べている。
アルビノ(先天性色素欠乏症)同様、突然変異の一種である黒変種(メラニズム)は色素過剰を引き起こし、動物の毛皮や皮膚を黒色に変える。
サンディエゴ動物園の研究者ニコラス・ピルフォールド(Nicholas Pilfold)氏が主導し、1月に専門誌「アフリカン・ジャーナル・オブ・エコロジー(African Journal of Ecology)」に発表された研究によると、今回の撮影により、アフリカにクロヒョウが存在することの科学的裏付けが約100年ぶりに得られたという。
最後に確認された報告は、1909年にエチオピアの首都アディスアベバで撮影された1枚の写真だった。この写真は現在、米自然史博物館(American Museum of Natural History)に所蔵されている。
ケニアでは、2013年に捕獲された状態のクロヒョウが写真に収められた他、2018年にはヘリコプターから撮影された別の画像数枚が拡散している。だが、最新のイメージは、初めて記録された科学的証拠となるものだ。
ピルフォールド氏がAFPの取材で語ったところによると、クロヒョウ目撃の報告が多数寄せられていたのを受けて、同氏のチームは2018年2月に8台のカメラを設置。それから3か月の間に性成熟に達する前の若い雌1頭を撮影したという。
この地域には「間違いなく2頭、恐らくは3頭」存在していると、ピルフォールド氏は指摘する。