ルバーブ農家、英国料理の革新で需要増
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【2月28日 AFP】英イングランド北部でルバーブが収穫の最盛期を迎えた。農家はろうそくの明かりがともった納屋で、現代の英国料理でトレンドとなっているこの野菜を収穫し、収入を増やしている。
ヨークシャー(Yorkshire)地方の工業地帯にあるブラッドフォード(Bradford)、ウェイクフィールド(Wakefield)、リーズ(Leeds)にまたがる伝統的な「ルバーブ三角地帯」の農家は1世紀にわたりルバーブを同じ栽培方法で育ててきた。
ルバーブ農家の4代目、ロバート・トムリンソン(Robert Tomlinson)さんはAFPの取材に対し、「改良は考えられない。100年前とほぼ変わらない方法で栽培しているし、違う栽培方法はない」と話した。
ルバーブの栽培はまず、ヨークシャーの湿り気のある冷たい土壌で2年かけてゆっくりと育て、秋になると暖かい納屋に移動させる。納屋に移動すると、紫色の茎は屋外で溜め込んだエネルギーを利用して急速に成長し、冬が終わりに近づくと収穫される。
「納屋ではルバーブの成長のスピードが速いので、ある一定の時間帯に、ギシギシとうなるような音を立てるのが聞こえる。3~4日間で6~7インチ(約15~18センチ)伸びることもある」とトムリンソンさんは話す。
ロシアのシベリア(Siberia)から薬効があるとされ持ち込まれた後、こうした栽培過程が1800年代後半に開発された。
新世代のシェフたちはルバーブの深い赤色と辛みの強い味に引かれ、塩気と甘みを料理で組み合わせたり、ルバーブのシャンパンをつくったりする。
トムリンソンさんによると、ルバーブは過去10年間で需要が跳ね上がり、今ではスイスやニューヨークのレストランに定期的に届けているという。(c)AFP