【2月13日 AFP】オーストリアですべての父親に法律で育児休暇を認めるよう求める声が高まっており、企業の経営者側がこれに激しく反発している。

 同国では2017年以降、子どもの誕生後1か月間、父親が無給休暇を取ることのできる「パパの月」が認められており、その間、700ユーロ(約8万8000円)の社会保障費が支給される。ただし、適用の決定権は雇用側にある。

 この制度に対し野党からは、企業側の承認の有無にかかわらず、すべての父親を休暇と保障費の支給対象にするよう求める声が上がっている。

 社会民主党(SPOe)と緑の党(Greens)、リベラル政党NEOSの他、連立政権の一角である極右の自由党(FPOe)も、制度改革を求めている。

 昨年は新たに父親になった男性のうち、8%以上に上る計7338人が育児休暇を取得し、制度の支持派は需要が高まっていると主張している。

 だが、父親の育児休暇の法制化を求める圧力は、セバスティアン・クルツ(Sebastian Kurz)首相率いる、企業に優遇的な与党・国民党(OeVP)を難しい立場に置いている。4.7%と失業率が低い現在の好景気について、企業や雇用主は優秀な人材が不足し始めていると指摘している。

 一方で、子どもと家族の利益を推進するロビー団体の代表で、首都ウィーン在住の父親の一人であるダニエル・ボーマン(Daniel Bohmann)氏は、自分が取得する育児休暇を楽しみしているとコメント。「あと数日で『パパの月』の休みに入る。素晴らしいことであり、心待ちにしている。すべての父親がそうすることができれば、もっと良いのに」とツイッター(Twitter)に投稿した。(c)AFP/Philippe SCHWAB