トランプ氏支持者、集会でBBCカメラマンに暴行 大統領、演説で偏向報道についてあおる
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【2月13日 AFP】米テキサス州エルパソ(El Paso)で11日夜に行われたドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の集会で、英国放送協会(BBC)のカメラマンがトランプ氏支持者から暴行された。BBCは12日、ホワイトハウス(White House)に、集会での安全対策を見直すよう要請した。
「アメリカを再び偉大に(Make America Great Again)」と書かれた帽子を被ったトランプ氏支持者の男が、反メディアのスローガンを叫びながら、BBCのカメラマン、ロン・スキーンズ(Ron Skeans)氏を襲った。トランプ支持派のブログ「フロントライン・アメリカ(Frontline America)」のブロガーが男を取り押さえ、報道関係者が集まるエリアから移動させた。スキーンズ氏にけがはなかった。
BBCのポール・ダナハー(Paul Danahar)米総局長は、「昨夜の事件を受けて完全な安全対策の見直し」を行うようサラ・サンダース(Sarah Sanders)米大統領報道官に要請したことをツイッター(Twitter)への投稿で明らかにし、「報道陣の集まるエリアへの立ち入りが監視されていなかった」「襲撃の前後を通して、警察の介入はまったくなかった」と指摘した。
一方、トランプ氏の陣営は、「会場の警備員と警察の素早い対応」を称賛する声明を発表したが、ダナハー氏は「襲撃の予防や収束のための素早い対応などなかった」としてこれを否定した。ホワイトハウス記者会(White House Correspondents’ Association)は襲撃を非難した。
集会を取材していたBBCのゲーリー・オドノヒュー(Gary O'Donoghue)記者は、トランプ氏が偏向報道について執拗(しつよう)に聴衆をあおったところ、BBCのカメラマンが暴行されたと証言した。
米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)の発行人、アーサー・グレッグ・サルツバーガー(Arthur Gregg Sulzberger)氏は先月のインタビューで、トランプ氏は報道機関に対する「潜在的に危険」な言葉を抑制すべきだと語っていた。(c)AFP