イエメンの結合双生児が死亡、手術のための出国かなわず
このニュースをシェア
【2月10日 AFP】封鎖下に置かれたイエメンの首都近郊で生まれ、国外での早急な手術を求める声が上がっていた結合双生児の赤ちゃんが、9日に死亡した。首都を実効支配する反政府武装組織フーシ派(Huthi)が明らかにした。
2週間ほど前に首都サヌア近郊で生まれたアブドルハレク(Abdelkhaleq)ちゃんとアブドルラヒム(Abdelrahim)ちゃんは、腎臓と脚部を共有する一方、心臓と肺はそれぞれ独立していた。
アルサウラ(Al-Thawra)病院の小児科長は6日、この双生児に治療や分離手術を施すための医療設備がないとして、国外からの支援を求めていた。
またサウジのサルマン国王人道援助救援センター(KSrelief)のアブドラ・ラビーア(Abdullah al-Rabeeah)所長は6日夜、双生児を受け入れるために担当班を結成したと発表していた。
だが、サウジアラビア主導の連合軍が支援する暫定政権と戦闘を繰り広げてきたフーシ派は9日、連合軍が「双生児の治療のためにサヌアの空港封鎖を解除することを拒否した」とし、双生児の死は連合軍に責任があると非難した。
連合軍は2015年3月、追い詰められた暫定政権を支援するために軍事介入を実施。以来、イエメンのフーシ派支配地域を封鎖してきた。
また内戦が進むにつれて、イエメンの医療体制は崩壊。ほとんどの病院がまれな症例を治療するための医療設備を備えていない。(c)AFP