【2月10日 AFP】（更新）フランスのエマニュエル・マクロン（Emmanuel Macron）大統領の政策に抗議する「ジレ・ジョーヌ（黄色いベスト、gilets jaunes）」は9日に13週目を迎えた。複数の目撃者がAFPに語ったところによると、パリ市内の国民議会（下院）付近でデモ隊と治安部隊が衝突した際、デモに参加していた男性が手の指を4本失う重傷を負った。目撃者は「閃光（せんこう）弾の一種」によるものだとしている。

　デモ参加者は昨年11月の数十万人から減少したものの、この日は全国各地で数万人が引き続き抗議の声を上げた。パリではシャンゼリゼ（Champs-Elysees）通りから行進してきたデモ参加者らが下院議事堂付近で治安部隊と衝突。デモ参加者の多くは平穏に行進したものの、一部の覆面姿の男らが下院議事堂周辺の封鎖突破を試みたり、そばで放尿したりした。男らは治安部隊に向かって物を投げ、治安部隊は催涙ガスと閃光弾（スタングレネード）を発射した。

　現場で動画を撮影していた目撃者（21）によると、重傷を負った男性は下院議事堂入り口の封鎖を突破しようとするデモ参加者らを撮影していた。警官隊が群衆を排除する際に発射した閃光弾の一種が男性のふくらはぎに当たったという。目撃者は「脚のそばで爆発しないように男性が放り投げようとして触った途端、破裂した」と話した。

　パリ警察当局は、この男性が爆発で手の指4本を失ったと発表。パリで9日夜までに39人を逮捕し、21人を勾留していることも明らかにした。(c)AFP/Juliette MONTESSE