マドゥロ氏、米援助の受け入れ拒絶 「物乞いではない」
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【2月9日 AFP】ベネズエラのニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領は8日、暫定大統領就任を宣言した野党指導者、フアン・グアイド(Juan Guaido)氏の要請で米国が提供しようとしている人道支援物資について、「偽り」の援助は持ち込ませないと言明した。
ベネズエラはマドゥロ政権下で経済危機に陥り、ハイパーインフレや景気後退、食料・医薬品などの必需品不足が発生している。グアイド氏は、支援物資が届かなければ最大30万人が死の危険に直面すると主張しているが、搬入に使うコロンビアとの国境の道路をベネズエラ軍が封鎖。物資は現在、積み上がったままとなっている。
マドゥロ大統領は首都カラカスで記者会見し、「ベネズエラは偽りの人道支援という見せ物を認めない。われわれは物乞いではないからだ」と主張。さらに、ベネズエラの人道危機は、同国への「干渉」を正当化するため「米政府がつくり上げた」ものだと述べ、食料・医薬品の不足は米国による制裁が原因だと非難した。
米国の制裁は、主にマドゥロ政権の個人と国営ベネズエラ石油(PDVSA)を対象としたもの。
マドゥロ大統領は「凍結・隔離されている資金を解放しろ」と述べ、「首根っこをつかんでパンくずをねだらせようなんて、ひどいやり方だ」と批判。支援の申し出は「国民を侮辱するメッセージだ」と述べた。(c)AFP