タイ王女の首相候補擁立、国王が激しく非難「極めて不適切」
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【2月9日 AFP】タイのワチラロンコン(Maha Vajiralongkorn)国王は8日夜、姉のウボンラット王女(Princess Ubolratana、67)を3月の総選挙で首相候補に擁立する異例の動きについて、「極めて不適切」であり「王室の伝統」に反するものだと激しく非難した。
これに先立つ数時間前にウボンラット王女がタクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)元首相派の政党、国家維持党(Thai Raksa Chart Party)の首相候補になると発表された。
政府官報「ロイヤル・ガゼット(Royal Gazette)」が発表した声明は「国王と王室の地位は政治を超越したところに存在する」と指摘し、ウボンラット王女を批判せず王女の公務を称賛した。
全国テレビ放送でも伝えられた声明は「高位の王室の一員を政治体制に持ち込むことは、いかなるものでも王室の伝統と国の文化に反するものであり、極めて不適切だ」と言明し、声明での批判の矛先は王女の突然の政界進出の背後で暗躍する者に向けられているとみられる。(c)AFP/Sippachai KUNNUWONG, Aidan JONES