「数十万頭」の牛が死ぬ、干ばつ後に記録的洪水の豪北東部
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【2月8日 AFP】厳しい干ばつの後に記録的な洪水に見舞われたオーストラリア北東部で、それまで日照りで弱っていた多数の畜牛が死ぬ事態が発生した。当局は8日、その数は数十万頭に達する恐れもあるとしており、生き残った牛の生命維持に努めている。
干ばつに苦しめられた後、今度は約2週間にわたって雨が降り続けた北東部クイーンズランド(Queensland)州一帯。洪水の水が引くにつれ、その壊滅的被害の全貌が明らかになってきた。
スコット・モリソン(Scott Morrison)首相はシドニーで記者団に対し、「失った家畜の数は、数十万頭に達する恐れがあるとみている」と明かした。
「長年の干ばつの後、今度は豪雨による洪水で、家畜が真逆の苦難にさらされる様子を目の当たりにするのは、同域の住民にとって悲痛なことだろう」と述べた。
クイーンズランド州のアナスタシア・パラシェイ(Annastacia Palaszczuk)首相は8日、前日一部地域を視察した際に「死んだ牛の海」を目撃したと報告。豪公共放送ABCに対し、「あちこちに牛が横たわり、しかも動かないのを見て、吐き気を催した」と話した。
ジュリアクリーク(Julia Creek)近くで牧場を経営するレイチェル・アンダーソン(Rachael Anderson)さんは、飼育していた牛1500頭のうち800頭の行方が分からなくなっていると話している。
アンダーソンさんはAFPに対し、「牛には他に行く所がなかった…近くに鉄道の線路があり、その線路中に死んだ牛が横たわっている」と明かした。
深刻な干ばつに見舞われたここ数か月間は、1頭ずつ個別に飼料を与えていたというアンダーソンさんによると、カンガルーや鳥も多数死んでいるという。(c)AFP